トロンはマナフィルターの関係からサイドボードに様々なカードを取ることができる。
自分が試したりよく見たりするカードを挙げていこうと思う。


■ 青

《払拭/Dispel》
インスタント限定打ち消し。
バーン、青黒コン、裏返しコンボ、トロン同系あたりにサイドインする。
基本的にはクリーチャーやサイドカードに対する相手の打ち消しをこれで打ち消すのに使用する。青1マナで打ち消せるのが最大の魅力で、神秘の指導から持ってきてすぐ唱えやすいのがとても嬉しい。
ソーサリー火力も多いためバーン相手には打てるうちに積極的に使う。
フェアリー相手にも入れてもいいが、《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》を打ち消せない上スプライトに打ち消されるため自分は入れないことのほうが多い。青単デルバー相手なら入れるかも。

《水流破/Hydroblast》
赤を絶対に許さないカード。
バーン、ウィーゼロ、親和、赤ストンピィあたりにサイドインする。
だいたい打ち消しとしてよりも赤のパーマネント除去として使うことが多く、特にウィーゼロのクリーチャー二種や《エイトグ/Atog》を青一マナで殺せるのがとても嬉しい。
ボロス統治者に対しては払拭のほうを優先しさらに抜くカードがあるならサイドインする。。


■ 赤

《電謀/Electrickery》
超過コスト1Rで唱えると相手のみ一点全体火力のインスタント。
フェアリー、エルフ、エンチャントされていない呪禁クリーチャー、《金切るときの声/Battle Screech》のトークンあたりの対策としてサイドインする。
《不屈の部族/Tireless Tribe》やバーンが《火付け射手/Firebrand Archer》を入れていた場合にサイドインしたくもあるが、特にスゥルタイカラーのトロンでは赤マナを早期に安定して出しにくいため微妙なところ。

金切るときの声とはカードカウント的には1対1交換だが、ボロス統治者が早期決着型にサイドチェンジしてきた場合はこれがないと負けかねないのでサイドインしたほうが良い。

《紅蓮破/Pyroblast》
青を絶対に許さないカード。
フェアリー、ウィーゼロ、トロンあたりにサイドインする。特にトロン同系で《熟考漂い/Mulldrifter》や《転覆/Capsize》を打ち消したり、序盤のデルバーやフェアリーを処理するのに使いたい。
青相手には対象に困らないくらいだが、それ故に何に撃つかは吟味して考えないといけない。
スゥルタイカラーのトロンだと撃ちにくいためあまり採用できないが、赤マナが土地から出るタイプはたくさん採用したい。

《はらわた撃ち/Gut Shot》
ファイレクシアマナでも打てる1点火力。
特にフェアリーを強く見たいときに入れる一枚。1ターン目に出てきた《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》や《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》を即殺すことでダメージレースや忍術を防ぎ大幅に延命できる。もちろんスプライトにも対応して撃てる。
フルタップでも撃てるのが何より強く、奇襲的かつ赤マナが出なくても除去ができるのは非常に重要。このため不屈の部族に対しても盤面のマナからは予想できないところから除去でき命拾いすることも。
エルフに対して入れてもいいが後引したときがちょっと弱い。バーン相手で火付け射手を見たときは入れる。

《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
マナを払ってアーティファクトを破壊できるゴリラ。
特に親和戦で重宝し、相手の土地をバリバリ割ってくれる。2マナ以上のアーティファクトを破壊する場合でもトロンならマナを捻出できるため相性がいい。
こいつ自体は一マナであり着地してすぐに能力を使えるため、出してすぐに一枚は破壊できる状況で出したい。

《古えの遺恨/Ancient Grudge》
フラッシュバック付きアーティファクト破壊。
主な対象としては親和やボロス統治者のアーティファクト土地、トロンの印鑑や《予言のプリズム/Prophetic Prism》など。
《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》はかなり苦手なカードなのでエルフやストンピィに対しては一枚サイドインしたい。ストンピィはサイドに長弓がない場合もあるが、《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》がいるため完全に腐るということはあまりない。

その他《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》や《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》を入れてくるコントロールに対してもサイドインしても良い。大祖始も呪文爆弾もこれに対応して起動するとこれ自体は墓地に残るため、これ一枚で墓地対策アーティファクトを二度割ることのでき心強い。


■ 緑

《自然の要求/Nature’s Claim》
1マナの代わりに4ライフゲイン与える帰化。
赤マナが安定して出ないトロンの場合にこちらを採用する場合がある。
トロンにとってライフゲインさせるのはほぼデメリットではなく、むしろ自分のアーティファクトを破壊することで緊急回復として使うメリットになる。

《心に静寂/Serene Heart》
オーラ全破壊カード。呪禁オーラに完全に勝つためのカード。
もともとフォグがあるため呪禁オーラには相性がいいほうではあるが、《投げ飛ばし/Fling》などの裏目は存在するため、すべてを無に返すこのカードで完全な勝ちを狙うのは確実性のある手段だと思う。
インスタントであるために《神秘の指導/Mystical Teachings》でサーチでき、一度撃った後も《記憶の壁/Mnemonic Wall》で回収できるためにこれを引ければ呪禁オーラにはまず負けない。
一応バーンの《貫かれた心臓の呪い/Curse of the Pierced Heart》や青黒コンの《血まみれの書の呪い/Curse of the Bloody Tome》も破壊できるためサイドインすることもある。


■ 黒

《死の重み/Dead Weight》
1マナの-2/-2オーラ。
オーラであるがゆえに一時的タフネス修正では回避できず、《払拭/Dispel》で弾けないため、不屈の部族やエイトグを確実に処理できる。
神秘の指導でサーチや記憶の壁で回収ができないが、トロンの序盤に出てくると本当に辛い上述のクリーチャーを確実に処理できるのは他のカードにはない利点である。

それ以外でもデルバー、《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》、その他クリーチャー全般を一マナで処理でき、《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》などを弱体化させることで記憶の壁でブロックできるようにするといった芸当も可能なためなかなか使い勝手が良い一枚。

《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
フラッシュバックもある布告。
アグロ相手にサイドインして序盤の攻勢を凌ぐために使う。また呪禁オーラ対策にもなる。トロンでは対処しにくいアンコウを処理できるカードの一つでもある。
普通に使えば二回分の布告、《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》のついでで墓地に落ちたときにも使えるため消耗戦に特に強いカード。

《肉貪り/Devour Flesh》
インスタント布告。生贄にしたクリーチャーのコントローラーにタフネス分のライフゲインも与える。
ライフゲインはトロンの場合それほどデメリットでもない。むしろ自分を対象にすることでライフゲインができるため、とっさの延命に使えるのはメリットだったりする。
インスタントなので神秘の指導でサーチでき、怨恨などのエンチャントを唱えられたのに対応して撃つことができるのがチェイナーの布告にはない強み。
この前はMOのバグで何もしないカードになっていて呪禁オーラに負けた。

《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
ストーム付きの墓地のクリーチャー回収カード。
ボロス統治者や青黒コンのような消耗戦になりがちな相手に入れるカード。ストームなため打ち消されにくく、墓地から二枚三枚とクリーチャーを回収できればかなり勝ちに近づくが、サイド後のマッチは相手も墓地対策をいれてくるため腐ることもある。
もともと《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》があるところにさらにクリーチャー回収カードを入れるべきかというのは評価の分かれるところではあるが、ライフを素早く詰めてこないデッキにはこっちのほうが強い場面も多い。
また、ムラーサの胎動を撃ち、相手が墓地対を起動したのに対応してこれを撃つことでアドを失わずにクリーチャーを回収することができるため、一種の墓地対策対策にもなるかもしれない。

《墓所への乱入/Crypt Incursion》
対象のプレイヤーの墓地のクリーチャーを全て追放するカード。ライフゲイン付き。
トロンや拷問生活、リアニなどに対する墓地対策として使える。
除去の多めのトロンの場合はアグロ相手に使うことで大量ライフゲインを目的にサイドインすることもある。
これも自分を対象にできるため、いざというときのライフゲインに使えるのは覚えておきたい。


■ 白

《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
赤絶対殺すサークル。
バーン相手にこれを出せればあとは十分なマナを構えながら土地を伸ばしていけば勝てる。トロンが揃えば軽減しながら展開もできるのでほぼ勝ち。
ウィーゼロ相手にも入れるが《鋭い痛み/Flaring Pain》で無効にされるのは気をつけたい。

これ以外の防御円でも言えるが、トロンで防御円を使うためにマナを構えるときは、同じ量のマナが出る組み合わせの中でアンタップ状態の土地の枚数が一番多くなるようにするべきである。
何故かというと、例えば3マナを相手ターンに構える場合、塔一枚をアンタップにしておくのと茨森の滝&揺らめく岩屋&流砂をアンタップにしておくのとでは、フェイズごとに分けて火力を撃たれたときに前者なら一回しか防げないが後者なら3フェイズ分防ぐことができるため。
そのため防御円を貼ったら、自分のターンにマナを使う場合にタップする土地の枚数が少なくなるように、かつ印鑑からのマナを率先して使うように心がけておきたい。

これを置けるかでバーン相手の勝率は大きく変わるため少なくとも2枚は欲しい。

《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
青に対する嫌がらせのようなカード。
主にデルバー相手にサイドインし、短期決戦を目指す相手からの戦闘ダメージをすべて0にしていく。
初めてサイドに取ってるリスト見た時はひどいなと思い、実際使うとすげえクソだなって思うけど一枚で勝てるカードなので仕方ない。
場に出たこれをどかせるのは《残響する真実/Echoing Truth》くらいなので着地するとかなり安心だが、ダメージを軽減し続けていると時間切れで負けかねないのだけは注意して運用したい。
相手が構えづらい早いターンのうちに出したいので入れるなら2枚は入れた方がよい。

《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
緑に対するダメージ軽減カード。
自分では使ったことないがストンピィや呪禁オーラ対策なんだと思う。
ストンピィ相手にはフォグもあるし、横並びしたストンピィのクリーチャー全てにマナを払っていくのは結構辛い上にサイドインされた帰化系カードで割られるので辛そう。
使っている人は使用感などを教えてほしいところ。

《黒の防御円/Circle of Protection: Black》
黒いダメージ完全シャットアウトカード。
トロンとしては処理が難しいアンコウを強く見たサイド。アンコウ対策にはサイドに《収穫の火/Harvest Pyre》や《鎖の呪い/Curse of Chains》を入れているリストも見られたが、それらと違いこれ一枚で複数のアンコウを止められる利点がある。
青黒コンにメインで時間を使わせるようにプレイすることで、サイド後無理やりにでもアンコウを出して時間内に決めに行くプランに対してこれを設置して時間切れを狙うという場面がそこそこある。
もちろん黒単相手にも入れることができるし、《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》も軽減できるのでそれのみを勝ち筋にするデッキへの対策にもなる。《黒死病/Pestilence》対策としてはそもそもデッキ相性が悪くないし微妙か。
ライフロスは防げないので黒単相手にこれを貼っても《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》にドレインされて死なないように気を付けよう。

《石角の高官/Stonehorn Dignitary》
戦場に出たとき相手の次の戦闘ステップをスキップするクリーチャー。
アグロや呪禁オーラ相手に投入し、クリーチャーであるため戦闘フェイズを一回スキップした後もブロッカーとして盤面を支えられるのが非常に優秀。戦闘フェイズをスキップするので、鋭い痛みなどの軽減不可呪文によってフォグを無効にされて負け、という負け筋を防ぐこともできる。

《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》で能力を再利用することができ、記憶の壁とともにゆらめけば無限に戦闘フェイズをスキップできる。戦闘スキップ効果は累積するため、同じターンに複数回誘発させておくと毎ターンゆらめかないで済む。
10マナかかるが転覆で自己バウンスして使い回す方法や、その場しのぎではあるが《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》で再利用することもできるのは覚えておきたい。

《連合儀仗兵/Coalition Honor Guard》
4マナ2/4の旗手。これを対象にできる呪文や起動型能力は必ずこれを対象に取らないといけないので、呪禁オーラや白単英雄的、バーンや裏返しコンボなどいろんなデッキに刺さるカード。
出せさえすれば緑ストンピィの強化呪文や長弓、エルフの《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》や森林守りのエルフ、ウィーゼロのティムールの激闘、親和の投げ飛ばしなど多くの呪文や能力を大幅に制限でき、対処不能に陥るデッキも多い。
コントロールやボロス統治者などに対しても本命の身代わりとして強力な除去を吸ってくれたりする。

…と、良いことづくめのようだが、戦場に早期に着地しなければ効果は薄く、盤面に即座に影響を与えるわけでもないため白マナがタッチカラーになってしまうトロンでは過信できないカードでもある。
ちなみに誘発型能力に対しては対象強制はないため、《未達への旅/Journey to Nowhere》やディンローヴァの恐怖には無力なのも注意。


◇ アーティファクト

《鋸刃の矢/Serrated Arrows》
クリーチャーに-1/-1カウンターを三回置けるアーティファクト。主にデルバー系のデッキや裏返しコンボに入れるカード。
トロンでは3ターントロン成立または2ターン目印鑑で最速3ターン目に出せるため、打ち消しを構えられないうちに通ればスプライトや変身前のデルバーもプチプチでき非常に動きやすくなる。裏返しコンボもこれが通ってしまえば不屈の部族が生き残る術がほぼ無くなる。
相手のターンに起動し自分のターンに起動することでタフネス2も除去することができる。このカードはゆらめきで使い回せるのでその際に狙うことが多い。
4マナという重さがそれなりに弱点で、トロンが揃わないと設置するのに時間がかかり間に合わないという結果になることも。タフ1除去ということでエルフ相手にも入れたいが大抵間に合わない。

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デッキのカードについての説明はこれで一通り終わりになります。
次は特定のデッキとのマッチアップのプレイングについて書いていけたら良いなと思っています。

何かコメントや質問があればお気軽に。

星空ほてる(Twitter:@hotel_hoshizora)

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